2013-03-01から1日間の記事一覧

006:券(莢)

空に水忘れなければ見出せぬ鞄のポケットの中の半券

005:叫(莢) 

春の海ひねもす淡くひらかれるどこかに魚の叫ぶ領域

004:やがて(莢)

やがて海やがては空に還りつく淡雪という影の別名

003:各(莢)

梅の香に各々路地は閉ざしおり行き止まりのひとつのみ目覚める

007:別(莢)

個別の貝は個別の波に浚われて死は帯のようにつらなる

002:甘(莢)

傷ついた兎でしょうかさっきまで真水は甘いと言っていたのは