2013-03-02から1日間の記事一覧

008:瞬(莢)

瞬きのたびに光をとりこんで春の迷路を作ってしまう

009:テーブル(莢)

テーブルのはずれは深い谷でした落とした音符が小さく見える

010:賞(莢)

夢もみず寝たのでこれを賞します春一番の嵐のあとに

011:習(莢)

いままでに習っていない感情がひたすら三月の電線を揺らす

012:わずか(莢)

わずかずつ私を手放していくことがいつしか嘘になる水の夕

013:極(莢)

ビル街の風聴く耳にN極のほうから小さな流氷が届く