2013-07-12から1日間の記事一覧

061:獣(莢)

獣は帰り 時計は午後の舟となり 小さな叫びを眠らせている

062:氏(莢)

どの貝もらせんを持つしどの村もK氏が宿にたどりつく夜

063:以上(莢)

死者以上であるかのごとく振舞えばただ下がりゆくばかりの水位

064:刑(莢)

ときおりは何かの刑で犬であり私であるかのように連れ立つ

065:投(莢)

ただ数を数えたくなる 水切りの石を遠くに投げてください

066:きれい(莢)

思い出がきれいに澄んでいきそうで草を千切ったあとの爪の香